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高配当株投資をはじめると様々な疑問がでてきますが、多くの方の悩みは
「どんな株を買うべきか?」
ここに集約されるのではないでしょうか。
- 増配株って何?
- 高配当株と増配株の違いって何?
- それぞれのメリットデメリットは?
- 自分はどちらを買うべき?
こういった悩みは無限に出てきます。
そこで今回は
- 投資歴10年以上(失敗経験もあり)
- AFP・簿記資格を保有中
- 現在の含み益は4桁万円超え
- 年間予想配当金は100万円超え
のわたし「こるきち」が「高配当株」と「増配株」の違いやメリット・デメリットについて徹底解説いたします。
この記事を読めば以下のことがわかります。
- 高配当株と増配株の特徴
- それぞれのメリット・デメリット
- 自分がどちらに投資するべきか
- おすすめの高配当株や増配株
投資に正解はありませんが、自分なりの答えが見つけられるはずです。
ぜひ最後までお付き合いください。
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この記事の結論
- 投資初期に高配当を得たいのであれば「高配当株」を選択
※ただし減配・株価下落リスクには留意すること - 10年後に高配当を得たいのであれば「増配株」を選択
※株価の成長も期待できるが投資初期は低配当 - バランスを取るなら「両方に投資する」または「良い塩梅の銘柄に投資する」
- おすすめ高配当株は「VYM」
- おすすめ増配株は「VIG」
順番にみていきましょう。
高配当株の特徴
高配当株とは配当利回りの高い企業の株のことで、購入した初年度からたくさんの配当がもらえるのが特徴。
ただし、
- 株価は上がりにくく
- 増配率も低い傾向で
- 減配リスクも高い
といったデメリットもあります。
メリットは初年度から高配当が得られる
最大のメリットはやはり購入初年度から、たくさんの配当がもらえる点でしょう。
高配当の定義は人それぞれですが、一般的には配当利回りが「3%」を超えていると高配当と位置づけられるケースが多くなります。
3%というと100万円分投資すると年間3万円の配当がもらえる水準です。
デメリット①株価は上がりにくい
高配当利回りであるということは、裏を返せば株価が低いということ。
つまり投資家の期待値がそれほど高くない不人気銘柄と言えます。
配当は企業の業績や株主への想いから金額が決定されますが、株価は投資家の心理に左右されます。
- 人気の銘柄は買われ株価が上昇しやすい
- 不人気銘柄は売られ株価が下落しやすい
高配当株はその高い配当利回りから一定の需要がありますが、やはり株価が大きく上昇するケースは少ないように思います。
高配当株に手を出す際はこの点に留意しておいた方が良いでしょう。
デメリット②増配率も低い傾向
株価が低く高配当になっている銘柄は特に増配率が低い傾向にあります。
投資家は未来を予想し、株を購入します。
つまり、増配や増収増益が期待できる銘柄は
- 買われ株価が上昇
- 結果、配当利回りは低下
逆に、増配や増収増益が期待できない銘柄は
- 売られ株価が下落
- 結果、配当利回りが上昇
といった傾向が見られるため、一般的には配当利回りが高ければ高いほど大きな増配が期待できないと考えてよいでしょう。
配当利回りが4%を超える企業はその傾向が顕著にでます。
デメリット③減配リスクも高い
上記の理由と同様に増配への期待が少ないということは、配当の原資となる企業利益の成長期待値が低いということ。
本当に減収減益となった場合は減配(1株配当が減ること)も十分あり得ます。
配当利回りが高い銘柄はそれなりにリスクを抱えています。
増配株の特徴
増配株とは定期的に配当を増やしてくれる企業の株のことで、持っているだけでもらえる配当が年々増えるのが特徴。
ただし、
- 株価は少々割高で
- 低配当利回りの銘柄がほとんど
といったデメリットもあります。
メリット①持っているだけで将来高配当化する可能性が高い
増配株の最大のメリットは、その株を持っているだけで
- もらえる配当が毎年増える可能性が高い
- 増配率が高い
といったところにあります。
- 増配率とは
- 配当の増加ペース割合を指します。
例えば1株あたり「100円」の配当を出す企業が、増配し「105円」にすると貰える配当が「5%」上昇したことになります。
銘柄にもよりますが、米国株であれば増配率10~20%くらいある企業も珍しくありません。
つまり買い増しせずとも将来高配当化している可能性が高いということ。
メリット②株価も長期的にみて増加傾向
増配株は長期的にみると株価も増加している企業が多い傾向にあります。
配当の原資は企業の利益であるため
- 増配を継続=利益成長している
- 利益成長している=将来の見通しも良好
- 見通しが良好=人気が出る
- 結果株価が上がる
こういった等式が成り立ちます。
懐事情が良好な企業は配当も株価も上がりやすいということ。
デメリット①株価が少々割高傾向
基本的に増配株は財務の健全性が良く、多くの投資家から人気を集めます。
人気があるということは株価が割高な傾向にあるということ。
投資家の多くは将来の高配当化を見込んで投資します。
また長期保有を前提に購入されることが多いため、売られにくく株価が下がりにくいのも特徴となります。
デメリット②投資初期は低配当である可能性が高い
株価が高いということは、配当利回りが低いということ。
つまり増配株は投資初期に高配当を得られる可能性が極めて低くなります。
低配当という点が投資家の頭を悩ます最大のポイントと言えます。
高配当株の一例 WBA(ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス)
WBA(ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス)は、米国内外での薬局事業と医薬品の卸売事業を展開している企業で、「S&P500」や「ニューヨークダウ」にも採用されている米国の大型株。
日本ではあまり馴染みがありませんが米国ではブランディングに成功し、その存在感が際立ちます。
ヘルスケア事業は景気に左右されることなく一定の需要があるビジネスモデル。(景気が良いから病院に行くとか、薬を買うといった行動にはならないため。)
つまり同社は安定的な収益を背景に安定配当が見込める銘柄ということになります。
高配当ではあるが低成長・低増配の典型
2022年現在の配当利回りは4%台後半~5%あたりで推移するなど高配当銘柄です。
しかし直近5年間の売上は横ばいで、営業利益も減少傾向。(※過去5年間の営業利益率は3.5%)
よって配当も増配を続けているものの、5年前の1.64$から今期予想1.92$と5年平均の増配率は3.3%と微増に留まっています。
今後も大きな増配は見込めないと市場から判断されており、株価も割安で放置されています。
スターバックスの元COO「ロズ・ブリューワー氏」をCEOとして迎えて以降は、医薬品卸売事業を売却するなど事業の立て直しを図っていますが、復活するかどうかは未知数。
典型的な高配当・低増配銘柄と言えそうです。
今を「割安」と見るか、「今後さらに衰退していく」と見るかで意見の別れる銘柄です。
※2023年9月現在では「S&P500」から除外され株価も大きく下落して20ドル前半で推移しています。
増配株の一例 SPGI(S&Pグローバル)
SPGI(S&Pグローバル)は、「信用格付け」や「指数算出」などの金融サービス業を営む高収益企業で、もちろん「S&P500」にも採用されている大型株。
信用格付けでは以下の3社で寡占状態(※少数の大企業がその市場を支配している状態)となっています。
- Moody’s(ムーディーズ)
- Fitch(フィッチ)
- SPGI(S&Pグローバル)
これらの企業が債券の信用力をA+やBBBといったように判断しているよ。
指数開発でも以下2社で寡占状態です。
- MSCI
- SPGI
指数開発ではその名の通り「S&P500」はSPGIによって作られており、それに連動した商品である「VOO」「IVV」などの運用残高が増えるほど「バンガード」や「ブラックロック」などから手数料が渡る仕組みです。
低配当ではあるが高成長・高増配の典型
寡占状態であることから、当然近年は増収増益を継続中。(※過去5年間の営業利益率は46.8%と稼げる企業)
よって配当も高増配を続けており、5年前の1.64$から今期予想3.4$と5年平均15.7%と高い増配率を誇ります。
ただし上記で解説したとおり、高収益で高財務、さらには市場優位性のある企業であることから株価は割高で、配当利回りは1%前後で推移しています。
圧倒的に低配当!ここが高増配を続ける企業のネックポイントです。
高配当株はこんな人に向いている
- 減配リスクに留意している
- 今すぐ高配当をもらいたい
- 株価の成長よりキャッシュフローを拡大したい
やはり業績が「低迷している」もしくは「過去ほどの成長性がない」といった企業が高配当銘柄になっているパターンが多く、過度な増配や株価上昇は期待しないほうが良いでしょう。
あくまでも買い増しをして配当を積み上げたい方向けの銘柄といえます。
増配株はこんな人に向いている
- 今は低配当で構わない
- 10年後に高配当をもらいたい
- 株価の値上がりも期待している
業績に優れ、成長が期待できる銘柄は基本的に株価の成長と高い増配率が期待できます。
今は配当がそんなにたくさん要らないけど、10年後以降に高配当を「不労所得として得たい」「自分年金として得たい」といった方は増配株に投資妙味があるのではないでしょうか。
バランスを取るなら「両方」または「良い塩梅の銘柄」に投資する
増配株か高配当株かどちらに投資するかは、投資経験の長い方でも悩むポイントです。
どちらか片方にしか投資できないわけでもないため、バランスを取るなら
- 増配株も高配当株も買ってみる
といった方法が一案です。
また探せば
- 配当利回りは3%前後だけど増配率は10%
といった銘柄も見つかることもあるため、こういった銘柄に投資するのも選択肢の1つになるでしょう。
いずれにせよ投資経験を積んでいくうちに心地よい水準が見つかると思います。困った時は半々でやってみるのも一案です。
ちなみに個別株に投資するなら、数社がダメになった時を考えて相応の分散投資しましょう。
米国の高配当株や増配株に分散投資したいなら「VYM」や「VIG」への投資がおすすめ
米国の「高配当株」へまとめて分散投資したい場合であれば「VYM」への投資が一案となります。
また米国の「増配株」へまとめて分散投資したい場合であれば「VIG」への投資が一案となります。
ティッカー | VYM | VIG |
---|---|---|
ファンド名 | バンガード 米国高配当株式ETF | バンガード 米国増配株式ETF |
運用会社 | バンガード | バンガード |
設定日(作られた日) | 2006年11月16日 | 2006年4月21日 |
経費率(年間運用手数料) | 0.06% | 0.06% |
過去平均の配当利回り | 3.1%程度 | 2.1%程度 |
過去10年平均増配率 | 7.4% | 7.8% |
過去10年株価成長率 (年平均) | 8.3% | 9.9% |
分配月(年間回数) | 3.6.9.12月(年4回) | 3.6.9.12月(年4回) |
組入れ銘柄数 | 400銘柄以上 | 200銘柄以上 |
詳細を見る | 詳細を見る |
どちらもこれ一本で数百銘柄に投資できる商品で、経費率(運用手数料)も0.06%と格安のコストです。(※100万円運用しても年間600円程度の手数料で済みます。)
「VIG」は低配当利回りですが、高増配と株価の成長が期待できます。
一方「VYM」は高配当利回りではありますが「VIG」ほどの成長力は期待できません。
個人的には「VYM」のバランスが良く好みではありますが、将来性は「VIG」といったところでしょうか。
また、やや玄人向けですが「PFFD」は高配当利回りが期待できるファンドです↓↓
米国株じゃなく日本株はダメなの?
という方は下記の記事をご参照ください↓↓
日本株にもたくさんメリットはあります。ただし難易度的には米国株から始めることをおすすめします。
まとめ 増配株と高配当株の「特徴」と「留意点」
- 高配当株の特徴と留意点
- 配当利回りは高いが、成長力や増配率に難がある企業が多い。
- 増配株の特徴と留意点
- 成長力や増配率に期待が持てるが、購入初期は低配当な企業が多い。
高配当をもらいながら高配当株を買い増し続けるのが好きな方もいれば、増配株を仕込んで10数年後高配当化している未来を楽しむのが好きという方もおられます。
どちらが良い悪いといった話ではなく「好み」や「目的」によって変わる問題でしょう。
今配当が欲しいのか、将来たくさん欲しいのかで話は変わってきます。
ちなみにわたし自身は一定の増配率を確保したいため「増配株5:5高配当株」くらいで保有中ですが、老後資金はクリアしたため今後は「3:7」を目安にもう少し高配当株の割合を増やして今の生活を豊かにしていきたいと考えております。
投資は続けてなんぼの世界。
自分が心地よく続けられる方法を探し出すのが成功への道になります。
この記事がみなさんの投資スタイルを確立する役に立てれば幸いです。
上記の例のように銘柄を探すにはマネックス証券の「10年スクリーニング」がとても便利!(上記の例もマネックス証券の銘柄分析ツールを使用しています。)
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またポートフォリオを組む際に、簡単にバックテストする方法はこちらの記事で解説中↓↓
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