高配当株の売り時はいつ?売却検討すべき6つのタイミングと考え方をFPが解説

高配当株の売り時はいつ?売却検討すべき6つのタイミングと考え方をFPが解説

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高配当株投資を始めたら考えることの多い”売る”タイミング。

株を保有している間は配当を貰い続けられる一方で、「含み益を利益確定しておきたい」もしくは「含み損を抱えているがこのまま保有していて大丈夫?」など様々な思いに駆られます。

今売るきかどうか悩む…

こんな悩み、多いのではないでしょうか。

そこで今回は

  • 投資歴10年以上(失敗経験もあり)
  • AFP・簿記資格を保有中
  • 現在の含み益は4桁万円超え
  • 年間予想配当金は100万円超え

のわたし「こるきち」が実際に高配当株投資を行っている立場から、売り時や考え方について解説します。

管理人こるきち
管理人こるきち

この記事を読めば、根拠に基づいた売るタイミングを自分で判断できるようになるよ♪

結論から言えば、今後の財務が健全であるだろうと予測するのなら多少株価が下がっても保有しておくほうが悪手になり辛いと考えます。

理由を順番に解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

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配当株の特徴とメリット

配当株の特徴をまとめると以下のようになります。

  1. 株価より安定する
  2. 利益は配当のため株価を気にしなくてよい
  3. モチベーションが維持しやすい
  4. 配当を受け取る度に損益分岐点が下がる
  5. 下落時も株価は安定傾向

配当金額は企業と株主の中で決定されるため、投資家の心理に左右される株価より安定しています。

「配当金を積み上げる」という方式のため、基本的に右肩上がりでモチベーションが維持しやすいのもメリットのひとつ。

また配当を受け取る度に利益確定しているため、「受け取った配当分は株価が下がってもマイナスにはならない」といった精神的に負荷の少ない投資手法になります。

さらに金融ショックと呼ばれる暴落が起こった際にも、市場平均と呼ばれる「S&P500」や「全世界株インデックス」などに比べて株価の値下がりは限定的でした。これは「配当金を低価格で仕込める」といった心理が影響して一定の需要があったからだと思います。

デメリットも含めてもう少し詳しく知りたい場合はこちらをご参照ください↓↓

配当株の売却を考えるタイミング

基本的に持っているだけで良いと言われている配当株ですが、「売りたくなるタイミング」や「売るべきタイミング」について触れていきます。

  • 減配or無配を発表した時
  • M&Aやスピンオフなど運営状況が変化する時
  • 企業が不祥事を起こした時
  • 含み益がたっぷり出て利益確定したい時
  • 含み損が出ており精神的に辛い時
  • TOBなど特殊要因で上場が廃止される時
管理人こるきち
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長期投資していればどれも起こり得ることです。想定しておきましょう。

減配or無配を発表した時

考え方はいろいろありますが、わたしの場合は基本的に売却します

何故なら「高配当を受け取り続けること」を主眼にしているからです。

減配や無配化するケースとしては主に2つあります。

  1. 業績が悪化し資金不足になっている
  2. 新規事業に投資したいため株主に渡さない

①のケースだと今後も配当金を出し続ける余力がないことがわかりますよね。

管理人こるきち
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問題なく売却します。

②のケースだと余力はあるが株主に配当を出さずに、自己投資に回していくという方向に舵を切ったことがわかります。

配当は減ってしまうけど、その企業の業績は良くなる(株価は上がる)かもしれないといった図式になります。

ただしこのケースにおいても、わたしは売却を選択する可能性が高いでしょう。

何故ならこの投資手法に売却益はもとめていないからです。含み益を出すことより継続的な配当収入を得ることにフォーカスしているため、成長する可能性があろうがなかろうが関係ないのです。

管理人こるきち
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あくまでも配当を長期に渡って得続けるのが目的。

M&Aやスピンオフなど運営状況が変化する時

M&Aとは企業が合併することを指し、スピンオフとは逆に企業の部門を切り離して分社化することを指します。

目的は最終的に利益を上げるために行うことですが、こういった状況下では企業方針や資金繰りがガラッと変わり減配する可能性が高くなります。

例えば、わたしが保有していたグラクソ・スミスクライン(GSK)というヘルスケア企業ですが、結論から言うと全て売却いたしました。

グラクソ・スミスクライン(GSK)
イギリスのヘルスケアセクターの企業で「医療用医薬品」「ワクチン」「コンシューマーヘルスケア」の3つの事業分野を持つ高配当銘柄。
2022年7月に「コンシューマーヘルスケア」部分のみをスピンオフ(分社化)して他2部門の事業に専念することが決定。

「コンシューマーヘルスケア」とは市販のドラッグストアなどでも購入できる製品事業のことです。

基本的に高配当企業というのは成熟した業界にビジネスを持つ企業が多く、グラクソ・スミスクラインも安定した収益が期待できるコンシューマーヘルスケア事業があったから高配当でした。(わたしが購入した値段に対しての配当利回りは5.5%超)

しかし「医療用医薬品」「ワクチン」という開発分野に特化するということで、成長は期待できる一方で高配当が得られる期待は薄まりました。

またグラクソ・スミスクラインはイギリスのADR銘柄のため配当に外国税がかかりません。(通常の米国株は10%の外国税がかかる)

ADR銘柄とは
米国以外の企業の株式を預託機関(シティバンク、ドイツ銀行、JPモルガン等)に預けて、これを担保に「預託証券」として発行し米国に上場したモノです。
これにより入手が困難な他国の銘柄を米国株として購入することが可能になります。
<外国税のかからないADR銘柄一例>
・イギリス
・オーストラリア
・インド
・ブラジル

税金を減らして高配当を得る」という目的で投資していたため、スピンオフ(分社化)前に全て売却しました。

管理人こるきち
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案の定、その後は株価も大きく下がり、低迷しています。

このようにM&Aやスピンオフする情報を掴んだ場合は素早く対処する必要があるでしょう。

企業が不祥事を起こした時

不祥事を起こした企業の株価は下がるため「買い推奨」とされる投資家は多い。

ただしこの局面でもわたしなら問答無用で売却します。

不祥事を起こした企業の株価は想像以上に下がります

過去の代表事例では日産の「有価証券報告書虚偽記載」は約2兆円、かんぽ生命の「保険不正販売」では約9兆円の時価総額がふっ飛びました。

日産自動車カルロス・ゴーン氏の虚偽記載についてはこちら

かんぽ生命の不正販売についてはこちら

不祥事を起こした場合、会見などを見ても幹部は誰も責任を取ろうとしません。社長も役員もあくまでも雇われの身のため最終的にツケが回ってくるのは株主です。

改心すれば問題ありませんが、不祥事を起こすのは企業の体質問題。

みなさんも自分の会社を想像してみれば心あたりがあるかもしれませんが、企業文化というのは簡単には変わりません。(やるところは何回でもやるし、やらないところはやらない)

一度不祥事を起こした企業は今後もやらかす可能性が高いでしょう。

配当株への投資は長期で見て株価が「維持」または「成長」をしつつ継続的な配当を受け取り続けることが目的です。

管理人こるきち
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株価や配当が乱高下するような株におちおち長期投資なんてしていられません。

含み益がたっぷり出て利益確定したい時

こちらは価値観や状況によっては有りかなと思います。

ただし配当株を売却すれば配当収入が減ります。

まとまった資金を

  • 子どもに贈与したい
  • 大きな買い物の購入資金に充てたい
  • リスク(値動きの大きい)資産の割合を減らしたい

などといった明確な目的があるのであれば継続的な配当収入を放棄してでも売却する価値はあるでしょう。

また売却益には約20%の税金がかかるため、そういったことも考慮する必要があります。

管理人こるきち
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「継続的な配当収入」と「税引後の売却益」を天秤にかけて判断してね♪

含み損が出ており精神的に辛い時

含み損が出ている場合も意見はわかれやすいと思いますが、わたしの場合は企業の財務と自身の目的で判断します。

企業の「利益」「売上」「キャッシュフロー」が悪化しておらず、今後も財務が安定すると予想しているのであれば保有し続けたほうが良いでしょう。

管理人こるきち
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配当が継続的に出るなら、いずれ含み損を配当収入がカバーしてくれるからです。

逆に財務が年々下降傾向だと売却を検討したほうがよいかもしれませんね。

特にキャッシュフローには注意しましょう。お金のない企業は配当を出したくても出せません。利益ではなく手元にお金があるかどうかは見ておきたいポイントです。

管理人こるきち
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そもそも論ですが「長期投資できる株」を選ぶことが重要。

ちなみに以下のような状態あれば売却を検討してもよいでしょう。

  • 特定の銘柄や業種に偏りがありリバランスしたい
  • 該当銘柄の含み損を見ていると気分が悪くなる
管理人こるきち
管理人こるきち

配当株投資は継続してナンボ。続けられる水準を維持する方が100倍重要です。

TOBなど特殊要因で上場が廃止される時

TOBになれば、わたしの場合は高確率で売却します。

TOB(公開買付)とは?
広告や発信を通じて株主から取引所外で該当する株を買い付けること。
企業の買収や合併など(経営陣が実権を握るため)が理由で実施されることが多く、公開買付後は非上場になるケースが目立つ。

TOBになれば「市場価格よりも高価格で買い取りされる」「上場廃止」といったケースが多くなることから売らない理由を探すほうが難しくなります。

管理人こるきち
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上場廃止になれば好きなときに売買できなくなるので売っておくほうが無難です。

1株2,000円の株を「2,500円で買いまっせ!」といった内容が多いので投資家にとっても割の悪い話ではないでしょう。

売却した際の受取配当が減ることに対しては留意が必要ですが、売却資金でまた新たな株を調達するなど選択肢はたくさんあります。どうしても持っておきたいなら話は別ですが、売却する方が流動性は高くなるでしょう。

管理人こるきち
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ちなみにわたしは2023年に2回TOBが当たり2銘柄とも売却しました。

まとめ 売却は自身が想像する未来と心地で決める

個人的なまとめを伝えるならば以下のようになります↓↓

  • 減配or無配を発表した時
    →基本的に売却
  • M&Aやスピンオフなど運営状況が変化する時
    →基本的に売却
  • 企業が不祥事を起こした時
    →基本的に売却
  • 含み益がたっぷり出て利益確定したい時
    →目的で判断
  • 含み損が出ており精神的に辛い時
    →売らないパターンが多いが目的と財務で判断
  • TOBなど特殊要因で上場が廃止される時
    →基本的に売却

基本的に持っているだけで良いと言われている配当株ですが、メンテナンスは必要です。

その中でも「企業の財務」「背景」はいち早くキャッチしたいところ。

管理人こるきち
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放っておいて株価ズタボロ、配当も無配などになれば泣くに泣けません。

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  • 機関投資家の売買情報が閲覧できる
  • コミュニティで投資家の投稿情報を見れる
  • 投資の基礎知識も学ぶことができ初心者にも役立つ

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この記事がみなさんの投資成功に役立つことを祈ってます。

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